• mellowmelodious

アスペル・カノジョ

あー、来るべき日が来てしまった。

残り10話で、12巻で完結が発表されてしまった。


自分は結構なマンガ好きを自負しておりますが、

そんな堀内が今年出会って、

最も心を掴まれ、最も引き込まれた奇跡のマンガについて書こうと思います。


アプリ『コミックDAYS』にて連載中

原作:萩本創八

漫画:森田蓮次

「アスペル・カノジョ」

アスペル・カノジョ - 萩本創八/森田蓮次 / 第1話 訪問 | コミックDAYS (comic-days.com)


タイトルで分かる方もいらっしゃるでしょう、

ヒロインがアスペルガー症候群(自閉スペクトラム症)という発達障害持ちなんです。


この時点でソワソワする方もいらっしゃるでしょう。


アスペルガー症候群とは、

社会性・コミュニケーション・想像力・共感性・イメージすることの障がい、

こだわりの強さ、感覚の過敏などを特徴とする、自閉症スペクトラム障がいのうち、

知能や言語の遅れがないものをいいます』とのこと。


場の空気を読めない。

相手の立場に立って気持ちを察することが出来ない。

言葉の持つ❝ニュアンス❞を理解出来ない。

人の反応を予想・想定出来ない。

でも知的には問題がない。

だから周りから変人扱いされる。

でも、自分では無自覚で、何故、会う人会う人から嫌われたりキレられたりするか、理由が分からない。


で、これは「病気じゃなく、障害」(作中の好きなセリフのひとつ)。

根本的に治ることはない、という。


やー、これを発見し、研究し、定義付ける。学問て凄い。

そして、この扱い辛い問題をマンガの題材として据えた原作の萩本先生の覚悟も凄い。

更に、発達障害持ちの人間とその周囲の人間が直面する様々な問題を、

めちゃくちゃ丁寧に、ドぎつい部分も逃げずに真正面から描くんです。

学校ではイジメられるし、家庭は半壊してるし、リストカットするし、何度もトラウマがフラッシュバックしてパニック障害起こすし、使ってるにつれ精神安定剤の効きが悪くなって量が増えて行くし、その副作用も重くなって行くし等々…。

実際に、ご自身の周りに、そういった方がいらっしゃったんだろうか。

もう、どれほど取材されたんだろうか。

果てしない気持ちになります。


物語は、新聞配達で生計を立てている売れない同人作家・横井の元に、

そのファンであるヒロインの斉藤さんが訪ねて来るところから始まります。

で、まず、この物語が成り立つ条件として、斉藤さんの顔が可愛い。

作画の森田先生、超絵上手い!バリ素敵。

しかも、話が進むにつれ、どんどん絵が進化して行って、

斉藤さんの可愛い瞬間の破壊力が増して行く。

うん、本当に下世話な話、ヒロインがブサイクだったり、男女が逆転してても成り立たなかったと思う。


行く当てのない斉藤さんが、家賃3万の風呂無し・共同トイレの豚小屋(←作中より)に転がり込んで、奇妙な同棲生活がスタートするんですが、当然、それはもう色々な問題が生じるワケで。

その諸問題に、頭をフル回転させて、時に危険な綱渡りをしながら、

『え、人生、何週目なん?』ってレベルで、その場その場で、ことごとく対応して行く横井さんがとてもとても素晴らしい。

本当に、発達障害への教科書みたいなマンガ。

自分は大学は心理学科だったモノで、あの時にこのマンガがあれば何かが違ってたのかなぁと思わずにいられない。

入門編としてでもいいから、取っ掛かりとして、大学の授業で扱えばいいと思う。

で、何故、売れない同人作家に、そこまでの対応力があるかというと、

横井さんも❝人付き合い・対人関係❞というモノが苦痛で、

子供の頃からずっと息苦しさを抱えて、生きる難しさに打ちのめされて来ていて。

「俺もその辺は病気なんだと思う。診断されないだけで問題は抱えてる」と。

斉藤さんと出会ってから発達障害への知識をかき集めて学んだ部分も勿論あるけど、

ずっとずっと、考えてきた、と。


この弱い、生きづらいふたりが、一緒に暮らして、居場所を探す、日々の記録。


もーね、ホント、泣けるんスよ。

心の弱い斉藤さんがホントに少しずつだけど成長していく過程が愛おしくて堪らない。

読むと百発百中で泣くシーンが、いくつもある。

そして、反面、死の匂いが立ち込めるゾッとするシーンも。

斉藤さんは確かに成長するんですが、発作で、一瞬でそれが0にもなるんです。

この光と闇のコントラストのえげつなさ。

キツい。

本当に凄い作品。

こういうデリケートな題材のマンガを【面白い】と言っていいのか的な問題もあるにはあるんでしょうが、うるせえ、魂が揺さぶられる。それが真実。


あと、人間誰しも多かれ少なかれ自閉症的な部分は持っているのが普通だそうで、

昔、自分が軽く悩んだことが、まんまマンガ内に出て来てビックリした。

「あ、アレって、軽く、そうだったんだ!」って。

自分ですらそうなんですから、この作品に出会って以降、ちょっと変な人に出会っても、

「お、アスペル・カノジョかな?」と思うようになり、少し人に優しくなれた気がします。


ここまで書いてきて、何か学問的に間違いがあったら申し訳ありません。


さて、こんな難易度の高いマンガが、ここまで(現在9巻)続いて来たのは正しく奇跡。

覚悟はしていましたが、残り10話で、どう終わるのか。

現在、話の展開上、結構、不穏な種が蒔かれているので、そこが怖くて仕方ありませんが、

ふたりの幸せを願わずにはいられません。


嗚呼、もしも許可が頂けるなら、モーションコミック化して、横井さんの声、超演りたい。


最後に。

作画上、ヒロインの斉藤さんの目はずっと黒塗りです。

目に光が宿ったことはありません。

最終回、瞳にハイライトが入りますように。


#記事 #マンガ #アスペル・カノジョ

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