葬送のフリーレン
- mellowmelodious
- 2020年11月29日
- 読了時間: 3分
世の中には面白いマンガが沢山あります。
ふと語りたくなったので、今回は週刊少年サンデーにて絶賛連載中、
アニメ化も全然有り得るんじゃないでしょうか、
原作:山田鐘人
作画:アベツカサ
「葬送のフリーレン」について書こうと思います。
作品に添えられている煽り文句は
【本格❝後日譚❞ファンタジー】!
後日譚。
どういうことかというと、ファンタジー世界において、
勇者たちが魔王を倒した後の物語なんです。
世界を救った後、冒険が終わったところから、
勇者パーティーのエルフの魔法使い・フリーレンを主人公に、この物語は始まります。
見た目は、銀髪に緑色の瞳をした背の低い華奢な少女。
しかしファンタジーにおけるエルフといえば、それはもう長寿の種族。
人とエルフとの、種族間の時間感覚の絶対的な差が作品のテーマのひとつで、
このズレで、切なさや悲しさや笑いを描き出す原作の山田先生のセンスが光ります。
まず魔王を倒すのに10年の旅をしたんですが、フリーレンにとっては、たっったの10年。
彼女曰く「短い間だったけどね」
❝半世紀以上前❞のことが、彼女にとっては「全然最近じゃん」だし。
第一話でパーティーは解散し、彼女はひとりで趣味の魔法収集の旅に出るんですが、
「100年くらいは中央諸国を巡る予定だから」と。
色々あって、フェルンという人間の少女が弟子として旅に加わるんですが、
話の展開上生じた問題を解決するために、ひとつの村に普通に半年とか留まるし。
フリーレンの言う「もう少ししたら切り上げるよ」というセリフに対する、
人間のフェルンの「もう少しって何年ですか?」という返し。
嗚呼。
そういうペースの旅なので、最初は幼かったフェルンも話が続くにつれ(といっても、まだ2巻が出たところですが)成長し、フリーレンの身長を追い抜いたり。
師匠のだらしない面を知るにつれ、ツッコミや扱いが徐々にキツくなって行ったりw
そして、この作品を語る上で欠かせない片翼。
今作が初連載という作画担当のアベツカサ先生。
アベ先生の絵が、超上手いんです。
↑因みに、これがデビュー前の投稿作。
審査員全員から絵を誉められ、藤田和日郎先生に『とても魅力的な絵柄』と。
この涼やかな絵柄×バリ高い画力で、山田先生の静謐で深遠なネームをメチャクチャ素敵に描き出してて、とても新人の方とは思えません。
特に思うのが、カメラを引いた時の細かい絵の書き込みがスゴい。緻密。
なのに、結構な頻度で、カメラ、引くんですよ。明らかに作画のカロリー大変なのに。
週刊連載という修羅場続きの中でそのカロリーを使った上で、絵で世界観がブレることが1ミリもない。感動する。
この作品のひとつの特徴で、半年とか50年とかの時間経過の描写として、セリフなしで日常の色んな瞬間を切り抜いたコマがパンパンパンと連続で続くことがちょいちょいあるんですが、その1コマ1コマの描き方がことごとく素敵。センス炸裂。
あと❝魔族❞という種族の描き方も、とても練られていて舌を巻いた。
魔族と、魔力と、魔法と、魔法使い。
色々なモノを混ぜて、この形でアウトプットしたのは新鮮でした。
魔族の成り立ち。
魔族という種族の、誇りの持ち方。
フリーレンにも魔法を教えたフランメという偉大な師匠がいるんですが、その師匠が魔族・魔法について語り、教えるくだりはとてもシビれました。
この作品は、静と動で言ったら、断然【静】の作品です。
フランメ師匠の、その【静】の中でのヒリつき方が素晴らしい。
やー、愛を語った。
まだまだ語りたい気持ちもありますが、ここら辺で。
いやしかし「ロードス島戦記」のディードリット以来、エルフはロマンの塊ですね。
フリーレン、いいヒロイン。
サンデーうぇぶりさんでも読めるので、ご興味を持たれた方は是非。
アプリの方なら、今なら全話イケます。
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